日曜の午前中ののどかなひと時、突然チャイムが鳴った。
ピンポーン
インターホンの画面に1人の警官姿の若い男が映っている!
事件でもあったのか?
しかし怪しい。怪しすぎる。
警察を装った犯罪の下見だろうか。
都市伝説的な話で、警官姿の人が聞き込みにきて、数日後捕まった殺人犯の顔がその警官を装った男だったなんてのも聞いたことがある。こええ。
そもそも警官って一人で行動するものか?
バディ(相棒)を組むもんじゃあないのか?
窓も開けており、居留守をするわけにもいかなそうなのでドアチェーンをしてドアを開けてみた。
「XX警察署のYYと申します。」とだけ言って、どうやら私たち夫婦の個人情報を紙(巡回連絡カード?)に書けと言っているようだ。
なんだその巡回連絡カードというのは。
35年くらい生きてきてそんなもん聞いたことねーぞ。
そもそも、高校卒業して親元を離れてから今まで警察が訪ねてきたことなんかねーぞ。
そのカードは事故の時などに家族と連絡をとりやすくするために用いるなんて言っているが、住所や連絡先なんて役所に届けてるんだからすぐわかるはず。
そもそも車の駐車場登録や免許証は警察管理なので把握しているはず。
昔、小学校のころに地元の警察署を見学で訪れたとき、署長さんに教えてもらったことがある。
よくドラマなどで警察手帳のカバーを見せているシーンがあるが、その中に写真やらがあってそちらを見せるのが真の警察だと。
「すみません、もう一度お名前伺っていいですか?」
尋ねると、警察手帳なのかなんなのかよくわからんが、普通に写真と名前が書いてある部分を見せてくれた。
むむう、本物の警官かもしれん。。。それも日本でトップクラスのありきたりな苗字の。
いや、こいつからは詐欺師臭がする。
長年の人生経験でわかる。
普通の警官から感じる傲慢・横柄さとは異なるこの自信のなさ。
これは犯罪の下見だ!
「強制ですか?遠慮しときます。」と言って断った。
しかし何だったんだこいつは。
新型コロナウイルスが世界中を苦しめるこのご時世にマスクなしでペチャクチャしゃべってやがった。
こんなやつが市民を守る善良な警官なわけがない。
感染を広める悪の枢軸だ。
また一つ、犯罪を未然に防ぐことができて良かった。
怪しい若い青年が帰宅した後、ネット検索してみると、どうやら本当に巡回連絡カードなるものがあるらしい。
アパートのそばには警官の自転車が停められてあり、警察のシンボルマークやXX北口(交番が実際にある)などと書かれている。
ハッハッハ、本物の警官殿でしたか。
そりゃ失礼しやした。
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